本来、音響機器・工業製品であるスピーカーというものと芸術作品である〝彫刻〟というものの融合により、新しい分野である「アートスピーカー」という造語の元、新しいコンテンツを確立できないか?と思いで日々作品の構想を練っているが、その中でスピーカーという音響製品としての機能が重要なプロダクトである以上、〝工業製品〟という側面を維持しつつ〝立体作品〟としての意味のあるものに仕上げるには、それなりの精度と信頼性を纏った見た目が必要であると思う。そう考えた場合、どうしても工業製品としてのプロセスが強くなり、筐体を作るにしても、強度/剛性を意識し部材の選定と、構造計算行った上で、図面を引き、切削機械などを使用し部品を構成した方が、人手に渡った後(買い上げていただいた後)の故障や破損等の余計な心配をせずに済むと思っている。
しかし、金属などで筐体を作るために工業機器などを用い加工を行うと、どうしても材料費と加工費を高額になってしまう。マスプロダクション品(量産品)として大量に作る場合には、加工費は大幅に下げることができるが、「アートスピーカー」として3台~5台などの少数のエディションを設けたアート作品としてやっていくには、名の売れていない現状では、知名度と作品の価値が伴っておらず、かなり中途半端な立場を強いられている。
後々、作品が認知されるようになり、同時に作家としての知名度も上げることができれば、
この様な面倒な悩みなどは吹っ飛ぶのであろうが、今は行く末を信じ、ただ耐え忍ぶ時と考えている。
今取り組んでいるもので、「香炉スピーカー」というアロマ機能を搭載したスピーカーがあるが、これは何とか知恵を絞り材料費と加工費が安く済むように徹底的に考慮したもので、
このスピーカーはもっと作品というよりは、マスプロダクション品という位置づけで、自由度をあげ各方面へ販路拡大を行いたいと考えている。販路拡大を考えているというか、製品としてのコストを下げるためにランニングコストをかけ金型などを起こしているので販路拡大しイニシャルでかかった分を償却しなければいけない。何とか今夏までには営業活動を本格化したいと考えている。
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